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灼熱東亜~在台日本人の観る日本・台湾・中国~

台湾に住む日本人大学院生が東アジア(日本・台湾・中国)情勢について書きます。

中国空母「遼寧」が台湾海峡を通過

両岸(中台)関係

台湾の国防部によると1月11日の午前7時(日本時間8時)、中国軍の空母「遼寧」艦隊が台湾南西の防空識別区に進入し、台湾海峡の中間線沿いを北に向かって航行した。

また1月10日夜にも国防部は「遼寧」艦隊が南シナ海での訓練を終え、母港(山東省青島)に向かって北上していることに対し「高度な警戒」をしており、総統および国防部は事態を完全に把握している旨、発表している。

なお国防部は11日の正午12時には広東省汕頭外海を通過し、中国の沿海を北上していると発表した。

 

11日の中央社(台湾)の報道によると、中米歴訪中の蔡英文は同日午前10時35分と53分にそれぞれ国家安全会議副秘書長の陳俊麟と国防部長の馮世寛と電話し、中国艦隊の最新動向のほか、国防部の関連する最新の対応、偵察状況などの報告を受けた。

また行政院大陸委員会主任の張小月は同日午前の記者会見で「遼寧」艦隊の動向について、いかなる脅しも両岸関係にプラスの働きはなく、両岸はお互いに歩み寄るべきと懸念を表明した。

 

これに対し、中国の国務院台灣事務弁公室報道官の馬暁光は11日の定例記者会見において、「私は現時点では実証しようがない」と詳細な言及を避け、国防部もしくは海軍に問い合わせるよう求めた。また馬は昨年の12月24日から「遼寧」艦隊が西太平洋海域で行なった遠海訓練は年度計画に基づいて実施されたものであると重ねて強調した。

 

「遼寧」は昨年12月23日に渤海湾で演習を実施した後、25日には宮古海峡およびバシー海峡を通過、26日に南シナ海に進入し、28日には海南島の三亜軍港に到達した。今回、台湾海峡を通過したことにより、12月末からの一連の動きは台湾を一周した形となった。

 

中国は一貫して「遼寧」艦隊の航行は「年度計画に基づいて実施されたもの」と繰り返し強調しているが、その戦略的な意図については分析が必要である。

今回の台湾海峡の通過は蔡英文の中米歴訪中に行なわれたが、その関連性については明らかではない。20日には「一つの中国」原則の堅持に疑義を唱えたトランプが大統領に就任する。米中関係、両岸関係の行方は不確実であるが、中国軍の海洋における行動は引き続き注視する必要がある。