灼熱東亜~在台日本人の観る日本・台湾・中国~

台湾に住む日本人大学院生が東アジア(日本・台湾・中国)情勢について書きます。

G20外相会合(ドイツ・ボン)における日中外相会談

2月17日、G20外相会合のためドイツのボンを訪れていた外務大臣の岸田と中国外交部長の王毅は日中外相会談を行なった。

 

2016年の8月以来となる今回の日中外相会談は約40分強、行なわれ、日中国交正常化45周年の節目の年に、日中関係の重要性を再認識し、「戦略的互恵関係」の下で両国が共に関係改善に向けて努力することで一致した。

 

両外相はまず2017年が日中国交正常化45周年、2018年が日中平和友好条約締結40周年であることから、先人たちの初心を忘れず、両国関係の発展の良い面、悪い面の教訓と経験を総括し、今後の日中関係を「正しい方向に発展させる」ことを確認した。

 

岸田からは2016年のG20及びAPECにおける日中首脳会談で、両首脳が日中間の懸案を適切に処理し、関係改善に向けて両国が共に努力していくことを確認した点に言及し、「戦略的互恵関係」の下で引き続き日中関係の改善を進めていきたい旨、期待を表明した。

 

また日中間の懸案について、岸田は東シナ海問題を指摘し、中国側の対応を求めた。

加えて、12日に北朝鮮が新型弾道ミサイルを発射したことについて、安保理常任理事国である中国が建設的対応をするよう要求し、安保理決議の遵守の重要性について意見の一致を見た。

 

一方で王は、日本側が最近、「重大で敏感な問題」で「消極的な対応を取っている」と懸念を表明した上で、日本側が「約束を遵守し、言行を一致させ、両国の政治的基礎を阻害することを防止することで、日中関係の真の関係改善が実現できる」と強調した。

 

また王は台湾における中国の立場を表明している。これについて、日本の外務省の発表では、岸田から日本政府の基本的立場として、1972年の日中共同声明にある通り、一貫している旨等、基本的考えが述べられたとしている。

 

一方で中国外交部の発表では、より具体的に、岸田が「二つの中国」と「一つの中国、一つの台湾」への不支持を重ねて表明し、また「台湾独立」も支持しないとして、台湾問題における日本政府の不変の立場表明があったことを強調している。

 

同日には、初の米中外相会談も行なわれており、米国の「一つの中国」政策の堅持も再確認された。

 

中国にとって核心的利益である台湾について、今回、王毅は二国間会談を通して日米両国の「一つの中国」原則の堅持を確認した。

これによって中国の不安は払拭され、安堵していることだろう。

 

トランプ新政権の誕生後、その対中政策の不透明さから、中国は静観の構えを見せてきた。

しかし今月に入り、トランプと習近平の電話会談、そして今回の米中外相会談と対話の機運が加速している。

今後は米中首脳の直接会談がいつ実現するかが注目される。

 

日本は米中関係の行方を見据えながら、中国との対話を継続し、信頼醸成を図ることで両国の偶発的衝突を避けるよう努力が求められる。

「海空連絡メカニズム」の早期運用開始など、日中国交正常化45周年の節目の年に何が実現できるか、また何が両国関係の発展を妨げるか。

2017年は今後の日中関係の発展にとって試金石となる年になるだろう。